第6章 沖田 恋ってやつは
「え、あ…いらなかったですか…?」
何も反応を示さなかった俺に
アキは不安そうに尋ねる。
「あ、いや、何でもねぇです、いただきまさァ」
「新作のさくら味です。明日からお店に並べるんですって!」
俺に一本渡したアキは、残りのもう一本を俺の隣で食べ始めた。
「アキも食べるんですかィ?」
「へ、あ、すいません!実は私もまだ食べたことなくて!」
団子が詰まらないように慌てて答える。
接客中も思っていたが、アキは忙しい。
表情もコロコロかわるし、ずっと動いている。
見ていて飽きないとはこのことか。
「うん!さくら味も美味しいですね!さすが大将!」
「確かに美味しかったでさァ。また今度ちゃんと食べにきますねィ。」
「はい!お待ちしてます!」
また眩しい笑顔を見せてくれた。