第6章 沖田 恋ってやつは
「お待たせしましたっ」
幾分もしないうちに
アキは団子とお茶を持って戻ってきた。
「ありがとうございまさァ」
「ゆっくりしていってくださいね。」
この甘味処の看板娘であるアキは
俺が団子を食べている間もパタパタと忙しそうに動いていた。
そんな様子をボーっと眺めながら、最後の一個を口に頬張る。
ここで長居をしても営業妨害になるし、
次はどこで時間をつぶそうかと考えている時だった。
「沖田さんっ」
少し小さめの声で俺を呼んだアキが近付いてきた。
手には2個の団子がささった串が2本のった皿も持っていた。
「これ新作なんです。大将が一緒に食べてこいって小さいの作ってくれて…良かったら味見していってください。」
ハイッと団子を差し出すアキに
団子そっちのけで目を奪われた。
大将に感謝。