第1章 銀時 花の金曜日
「なんか空耳聞こえたなー。銀さん今からあれだから。
ちょっと偵察のお仕事あるから。」
「…銀ちゃん女の子の店行くから忙しいんだ?」
「いや、ほらこれも大人の男には必要なお仕事だからね?アキと違ってむしろ今からお仕事なわけよ銀さんは。
ってことで餓鬼は帰った帰った!」
頭をポンポンと撫でられたかと思うと
まだおだったものをズルズルと引きずって、銀さんは行ってしまった。
日が落ちるのは一瞬。
さっきまで明るかったのに
気付いたら真っ暗になってしまっていた。
街は暗くなったものの、
週末特有のざわめきでみんなが浮き足立っているように見えた。
自分が1人だからなおさらそう感じる。
「(はぁ。もういいや。おとなしく帰ろう。)」
屯所に帰ってきて、
お帰りなさい!なんて声をかけられながら部屋に戻った。
もう一度誰かを誘おうと試みて
携帯の連絡帳を名前順にたどってみた。