第3章 山崎 マヨネーズの人
「え、ていうか、俺マヨネーズ買う人って覚えられてるんですか?」
「す、すいません!勝手にそう覚えちゃってて…」
こういうニックネームは心に秘めておかなきゃいけなかったのに!!
内心冷や汗だらだらになっていた。
「えっと…山崎 退っていいます!ちなみに!マヨネーズは俺吸いませんからね!うちの上司がマヨネーズ中毒なんです!!!」
「あ、はい、山崎さん
……ふふっ。
あ、ごめんなさい!」
つい笑いがこぼれてしまい、すぐに口を塞いで謝罪した。
「え、俺なんか変なこと言いました?!」
ちょっと慌てている姿が可愛いだなんて思ってしまって。
「いや、違うんです。なんか、山崎さんと話してると楽しくて。」
純粋にそう思った。
「…俺も上月さんと話せて嬉しいです」
少し照れたように頬を掻きながら彼はそう言った。
「え、私の名前知ってるんですか?」
「あ………いや、レシートに名前あって…可愛い人だなぁと思ってて…ち、違うんです!ストーカーとかそういうんじゃなくて!レシートとか名札とかチラッと目に入って!ほ、ホントやましいこととかないんで!!!」
彼は再びあわあわし始めた。
しかし、そんなことも気にならないくらい自分の顔が熱くなるのを感じた。