第3章 山崎 マヨネーズの人
「げっ!真選組だ!お前ら行くぞ!」
そう言って、バイクの集団は行ってしまった。
何台かのパトカーもそれを追っていった。
「お姉さん大丈夫ですか?」
そう言いながら1人の隊士が駆け寄ってきた。
「え!あ、はい!大丈夫です!あ、」
「へ?」
「あの、マヨネーズいつも買われる人…あ、すいません!何でもないです!」
とても見知った顔の人だった。
一方的に知っているだけで、全く知り合いでも何でもないのだけれど、反射的に言葉が出てしまった。
「え?えっと…」
いつもとは違うぴしっとした隊服を着たその人の頭上に、はてなマークが浮かんでいるのが見えた。
「あ、大江戸スーパーでレジを打ってて…って言われてもわからないですよね!気にしないでください!」
「…
…
…あぁっ!どこかで見たことあるなぁと思ったら!
あそこの店員さんかぁ!!!制服じゃなかったからすぐ気付けなかったです!」
ふわっとした笑顔にドキッとした。