第2章 1日目
海モチーフの青緑色の壁にはオシャレに区切られた仕切りの中には青色と緑色の中間の色のタイルや高そうなワインボトルや額縁に収まれている絵画やひまわりなどの夏に咲く花が綺麗な花瓶に収められていた。
天井にはシャンデリア、白いテーブルクロスが掛けられているたくさんのテーブルの上にはまたもや素敵な花が飾られていた。まさに贅沢の限りを尽くしたと言わんばかりのゴージャスさだ。
「紫苑、遅かったねぇ」
「あ、類。ごめんごめん。色々と準備に手間取っちゃってさ……あれ、猫くんは?」
「そうかい。東雲くんはすぐに来ると思うからその間席についておこうかね」
「うん……あれ、席って指定席なんだ」
「そうみたいだね。でも僕らは同じ席みたいだよ」
「まあ、これ全て鳳家の手配だからね。その辺のことはちゃんと分かってるんでしょ。慶介さん」
俺たちは席に着いた。周りの人達は明らかにお金持ちって感じの人が多かった。俺達も一応正装しているがなかなかない機会なので緊張してしまう。
「それにしてもここお金持ちっぽい人とか外国人が多いね。俺、あんまり詳しく知らないんだけど、この船ってそんなにすごいの?」
類に小声で尋ねた。辺りに聞こえると失礼になると思ったけだが。
「ああ。この船は日本の鳳財閥、鈴木財閥を中心とした財閥の他にさまざまな国家や資産家などが投資や制作に関わったおかげでできたんだ。だからそのお礼にって乗せてもらっているらしいよ。だから僕達がこの船に乗れるわけなんだ。鳳家のご要人としてね」
「ふーん。その当の鳳家が乗ってないから俺たちへの当たりがやたらと強いわけなのか」
階段前であったあの出来事を思い出して内心苦笑した。
「……?なにかあったのかい?紫苑」
類は俺の様子に違和感を感じたのか訝しみながら尋ねてきた。
「いや何も無いよ」
実際俺にとったらなんてことは無いのだ。そう。なんでもない、事だ。