第1章 Prologue
ブオオオ〜
「うわぁ!凄い!」
俺たちは今、この客船に乗っている。
なぜ俺たち国がこの船、通称『マーメイドバブル』に乗っているかと言うと話は簡単でこの船は世界有数の財閥や有名企業、資産家、国などの多くの人々の投資によりスウェーデンで造船された船なのだ。
投資した中でも1番協力的だったのは日本有数の財閥の鈴木財閥と鳳財閥だ。2つとも日本の財閥の派閥争いで一位や二位を競い合うような財閥で今回はこの船のためにお互い協力したらしい。だからこの船はほぼこの二つの財閥によって作られたと言っても過言では無いわけだ。
それはともかく数々の資産家や財閥や有名企業、国が協力したのでそのお礼にと各々の代表が何人か連れてきており国もその例外でもなかった。だからかこの船には公安やらFBI、などの各々国家の警察組織が沢山乗っておりただの豪華客船は本当の意味での豪華客船(物理)となった。
「ねーねーど、ルート、人多いね〜」
「まあ、世界有数とはいえそれぞれ何人かSPを連れているだろうからな。というか公の場では気をつけろって言っただろ。それ」
「ヴェーごめんねルート。つい癖で」
「まあまあ、とにかくチェックインも済みましたし各々部屋に荷物とかお気に行きませんか?」
機転をきかせた日本のおかげで喧嘩せずに俺たちが止まる部屋である6階に移動したところでとある問題が起こった。
「なんでてめぇみてぇなガキがお金持ちのための船に乗ってるんだよ!!」
廊下に鳴り響いたのは誰かの怒号。なにやら子供が胸ぐらを掴まれて怒鳴られているところのようだ。
「あれは……」
「どちらも日本人っぽいな」
俺がそういうと日本は恥ずかしそうな顔をした。
「確かにそうみたいですね。アーサーさん。……はぁ止めましょうか」
「流石にあんな所で子供が脅されているのは気分は良くないからな」
「それな任せろ!悪いやつを助けるのはヒーローの役目ってやつさ!Hey You!」
「あ、おい待てこら!」