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【HUNTER × HUNTER】アナタの奥まで【R18】

第2章 私の名前




キルアは私の訓練が終わるなり毎日のように会いに来てくれた。キルアも私と相応厳しい訓練をさせられているらしく会いに来ないときもあったが。


キルアは私の知らない話を沢山聞かせては遊んだ

私は言葉、文字は読めるけど外の世界を何一つ知らない。
キルアから聞く外の世界の話は私の心を踊らせた


生まれてから感情を制限されてためキルアと出会ってからは心情を知り、今まで抑えていた感情のガタが外れたのか随分と人間らしくなった気がする


とは言うもののその人間らしさを1ミリもイルミに見せてはいけない緊張まみれの日常でもあった。

それから1週間後くらいの事、キルアが突然変な事を言い出したのだ。



「な、お前の事〇〇って呼んでも良いか?」
「〇〇?どうして突然」



名前など呼べれば何でも良い物。
キルアが何を言っているのか理解できなくて首を傾げて問うと彼は「14号って言いにくいしお前に似合わない名前だしさー」と言い、そっぽを向いた


確かにキルアは私の名前を呼んだ事がなかった。
余程14号という言葉、いや名前が嫌だったのかいつもお前とかしか呼ばなかった。


「そんな事言われても私の名前は14号だし」
「もしかして〇〇って名前嫌なのか?」
「え?」


さっきまで表情を見られないようにかそっぽを向いていたキルアは突然問うてきた。
予想外の言葉に思わず疑問の声が出てしまった。


私はただ単に”14号”と呼ぶのがキルアはめんどくさいため、適当に名前など付けたのだろうと勝手に解釈した。

しかしキルアの反応を見る限りそんな事はないということが一目瞭然だ。


なんだか、まるでキルアが自分のために名前を真剣に考えていたみたいでむず痒く感じる。胸いっぱいに何かが込み上げて来るような、


ああ、なんだ。嬉しいのか。


キルアに心のこもった名前をつけられて胸がじんわり暖かくなった。その気持ちは私にとっては初めてのもので心地よい違和感を覚えた


なんだかふわふわして胸が満ち足りるのを感じて思わずキルアに抱きついた。
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