【HUNTER × HUNTER】アナタの奥まで【R18】
第3章 身体
懐かしい夢を見た。
「14号様、素晴らしい成長でございます」
そう言って手を叩く目の前の女性。
つい20秒前私はその女性と手合わせをしていた。
彼女は短剣使いの執事であった。
「ねえ、なんで手を叩くの?」
「これは拍手というものです。相手を褒め称える時に行うものですよ」
彼女は私に武術だけでなく"愛"というものを与えてくれた。
それが仇となったのか彼女は目の前で動かぬ人と変わり果ててしまった。
イルミの手によって。
忘れられない彼女の顔、徐々に光を失っていく瞳。
イルミは何度も何度も彼女を死なない程度に殴り切りつけ爪を剥ぎ、髪の毛を千切り、眼球をくり抜く。
私は見ていることしか出来なくて、ただずっと徐々に彼女が死んでいく様を眺めていた。
彼女の叫ぶ声が頭から離れられない。
動かなくなった彼女を確認してからイルミは私のを顎を強く掴んで言った「俺以外と話すな。何も感じるな。」
彼のその時の真っ黒な瞳が脳裏に焼き付いている。
それが初めて人が死んでいく様子を見た出来事だった
嫌な昔の夢を見て飛び起きた今日深夜。
気持ちの悪い嫌な汗をかいていた
そういえば何だか寝苦しかった気もする。
もう一度寝ようと視線を下に向けると真っ白なふわふわな見覚えのある髪の毛。小柄な少年。
言うまでもなくキルアだ。
でも何故ここにいるのだろうか
この事がバレたらお互いそれ相応の処分が下されるだろう