【HUNTER × HUNTER】アナタの奥まで【R18】
第3章 身体
「なあ、実際どうなの?」
「うぐっ…!!」
イルミは彼女の顎を強く掴んで自身の目を合わせた。
彼の目は濃く暗い色をしていた。心の底の怒りが滲み出ていた
でもなぜイルミは怒っているのだろうか
何のため?誰のために?
きっと私のためじゃない。
イルミは私のために怒ったりなんかしない。
多分、絶対そうだ。
「お前がぁ!!お前がいるから!!イルミ様が!」
メイドはぐりんと私の方に顔を向け、心底憎くんでる様に叫び散らかした。
まるで私を元から大切にしていなかったように、愛していなかったように。
「イルミ様に見て欲しかった!!振り向いて欲しかったでもあなたばかりぃィ!!」
「つまり、オレに振り向いて欲しかったから今まで良くして、でも振り向いてくれなかったからコイツを殺そうとしたって事か」
「イルミ様ッ!!最後に私をっ!私の目を見て殺してくださいま」
「もう用済み」
そうイルミは言うとメイドの言葉を最後まで聞かずに、彼女の目を見ずに殺してしまった。
彼は私の方へと足を踏み出し、私の目の前にしゃがむと私の血まみれの顔を掴んだ。
そして指で私の頬を血を塗りたくるように撫でた
「そろそろ頃合いかな」
彼はそう言いつつ私の顔をじっくり眺めていた。
イルミはメイドを殺すとき、彼女を見ていなかった。
むしろ、私は彼の視線を強く感じた。
私は目の前で彼女が死ぬ様を見て思わず目を見開いて苦しそうに顔を歪めてしまった。最後までは耐えきれなかった。
今はただ私の顔をじっと見つめるイルミが怖くてしょうがない。