第4章 MENおん
「お、来たか」
木曜日はMENの日。鬼畜企画前に栄養補給としてどうしてもということで木曜日に会うことが多くなっていた。もちろんいつも同じという訳でもないのだが。
「ども」
と俺が小さく会釈すると、いいから入りなさないなとMENに言われて靴を脱ぐ。今日はMENの家で会う約束になっていた。
MENの誘導でリビングに行くと、何飲むと聞かれてなんでもいいと答えると炭酸飲料が出てきた。なんでこんな時に炭酸飲料なんだ。
「はぁ〜〜……明日はまた鬼畜企画だよ」
と言いながら、MENがソファに座ってきた。俺もソファに座っていたのだが、大して飲む物も飲まないまま、MENが抱き寄せてきてされるがまま。
「なんでそんなに鬼畜ばっかやってんの?」
と俺が聞けば、ケラケラと笑いながらなんででしょうね、と返ってくる。MENは異常に体力もメンタルも高い。楽しんでいるのかもしれないが、いつか倒れてしまうんじゃないかという心配も確かにあった。
「たまには休めばいいのに」
「お、それは……俺といる時間を増やしたいってことか?」
「違うし」
違うこともないのだが、MENの前ではどうしても素直にはなれない。
けれどもMENはそんなことは気にしなかった。腕にグッと力が入り、俺は招かれるままMENの膝の上に乗せられた。するとMENの顔が首の後ろにのしかかり、そこで深呼吸をし始めた。
「ちょっと、やめてよ」
「やめていいのか?」
だって汗臭いでしょ、と言ってもMENはケラケラ笑うだけ。これがいいんでしょ、なんて言って。シャワーくらい浴びて来たらよかった。
「あ」
MENの指先が俺の袖をまくって何かを見つけた。MENは俺の首の後ろから離れ、今度は腕につけられた赤いアザを見ていた。