第4章 MENおん
「これはおらふくん……って訳じゃあないよな?」
お互い、いつどこで会っているかは共有済みだ。昨日はおらふくんに会っていたから名前を出したのだろうが、俺は答えたくなくて黙っていた。
「……ぼんさんかぁ」
沈黙が時に答えになるらしい。それでも俺は黙っていたが、MENは喋るのをやめなかった。
「こんな隠れるようなところにつけて……おらふくんにバレたらどうするんだ」それからMENは俺を見つめた。「それとも見つけて欲しかったのか、おんりー?」
「それは違……」
言いかけた言葉は、MENの唇で塞がれた。MENは突然こういう行動をするから絆されてしまう。
MENの唇はすぐ離れたが、次は俺の手首を掴んで袖をまくったままの腕を見つめた。何を、というより早くぼんさんが付けたアザにキスを落として吸い付いた。
「ちょっと、MEN……」
「何か不都合でも?」
俺の手首を掴んだまま低い姿勢のMENは自然と上目遣いになる。いつも俺が見上げることが多かったので、この上目遣いはズルい。
「……なんでもないけど」
結局、俺はMENに流されるまま寝室へ連れ込まれる。撮影時はワイルドでかっこいい一面を見せるMENだが、ベットの上では繊細で紳士的なのも魅力の一つだ。