第7章 全員で
その後は人生スゴロクなんかやめてみんなでダラダラと映画を見た。その合間に俺がみんなのおやつを作ろうと台所に立っていると、自由奔放なぼんさんがソファを独占してまた騒いでいるのが見えた。
「ぼんさん、そこ避けないとそのまま座りますよ」
なんてMENが言ってもお構いなし。最終的にMENが本当にぼんさんの上に乗ったのだが、あらぬところを触られてより賑やかになったのは語るまでもないだろう。
「ふざけるのはやめてよ」
と言って俺は焼けたカップケーキをみんなの元に運ぶ。もちろん甘くないように作ったケーキで、みんなの好みにトッピングしたものだ。
ドズルさんはクッキーを散りばめて、ぼんさんには塩を混ぜて、おらふくんにはフルーツを、MENにはクルミの入ったカップケーキを。
そうしてみんなでカップケーキを食べながら、たまたまテレビでやっていたよく分からない西洋映画へ目を向ける。土埃がすごいシーンだ。馬が走るとこうなるんだなと思うと、某ゲームのことを思い出して現実について思い知る。
俺たちも、現実離れをした存在なんだろうか。
そんなモヤモヤした気持ちを振り払いながら、俺は自分用の何もかかっていないカップケーキを頬張った。その直後、ねぇみんな。と改まった口調で、ドズルさんが話を切り出した。
「みんなに渡したいものがあるんだ」
「え」