• テキストサイズ

日替わり愛[dzl]

第7章 全員で


「あ、また借金生活じゃん!」
「ぼんさんはまだマシじゃないですか、僕なんて百億借金だよ……」
「現実でもそんな借金はないっすね〜」
「あ、僕はペットにパンダ飼うことになった!」
 とぼんさん、ドズルさん、MEN、おらふくんという順番で喋っている中、俺の出番が回ってきた。ルーレットを回し、出た数だけコマを進めると「結婚」というマスに止まった。
「結婚……って、強制なんだ」
 と俺がマスをそのまま読み上げると、妙な空気感になってしまった。そう。俺たちは五人が恋人という不思議な関係性。この窮屈な日本では五人と結婚をすることはない。俺はそのことに改めて痛感してこの空気感を変えようと思った。
「このマス飛ばしてもいい? ぼんさん」
 こういう時に話を振りやすいぼんさんに言えば、一瞬困惑したのち、ああ、そうだなと俺の提案を了承する。
 それをきっかけにドズルさんがケラケラ笑い、MENは「だったら俺もここの強制ストップマス飛ばしたいけどなぁ?!」と騒ぎ出し、おらふくんが楽しげにそれはあかんと制止した。
 俺もつられて笑いながら、やっぱり彼らと出会い、こうして何気ない時間を過ごせることが楽しいと思えた。
 こうやって遊ぶだけなら、俺たち五人は別に恋人になる必要はなかったのかもしれない。だけど、恋人になったからという距離感もあって……。
「あれ、おんりー。この腕のアザどうしたん?」
 うっかり袖をまくった俺の腕に、少し消えかかったアザを見つけたおらふくんが無邪気そうに聞いてきた。
「あ」
 と言った俺の声はたちまちドズルさんの声で掻き消された。
「ぼんさん、何してるんですか、おんりーに!」
「さすがにもう消えるかと思ったんだよ……」
「ってことは、つけたのは昨日じゃないってことですね?!」
 しまった、とぼんさんが口を覆ってももう遅い。ドズぼんの攻防(もちろん一方的)が始まり、誰も手をつけられない。
 そこにMENがヘラヘラと笑いながら、アザを深くつけて置いたのは俺なんすけどね、と付け足すものだから話はややこしくなるばかり。
/ 16ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp