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【R18】蒼炎を縛る【ヒロアカ】

第2章 蒼炎を喰む※荼毘


空を見上げていた男が、ゆらに気付いた。

目が合った瞬間に、平然を装う演技すら出来ない。

自分を見つめる青い目に、吸い込まれる様に、ただ見つめた。

「……散歩するにはいい夜だな。」

男の声が耳に聞こえると、脳が痺れた。

しっかりしろ、目の前の男は間違い無く、一般人じゃ無い。

「……ここは、私有地だけど?」

グッと崖を掴んでいるゆらの手に力が入った。

そんなゆらを見て、男は目を細める。

「…ツレを待ってるんだ、合流したら『すぐに』出て行くさ。」

ゆらの問いに、男は笑って答えた。

その妖しい笑みに、胸が苦しくなる位痛んだ。

こんな感覚は初めてだ。

まるで個性が目覚めた時の、あの高揚に似ている。

「ああ…そう、一緒に待ってあげようか?」

取り敢えず、縛り付けてから。

ゆらはそう言うと、手の平から鎖を出して、男に向かった。

逆に男の手から蒼炎が吹き出して、ゆらに向かう。

男と同じ目の色をした、綺麗な蒼炎に、ゆらは目を細めた。

蒼炎を避けると、ゆらは鎖を男に向けて放った。

このまま鎖に捕まってくれれば楽だったが、男はそのまま上に飛んで、鎖を避けた。

ああ、本当に私は高揚でこんなにも違う。

男がそこに逃げるのは分かっていた。

「ー捕まえた。」

ゆらは男の背後に行くと、彼の右腕を左手で掴んだ。

今度は拘束具が出て、男の手首とゆらの手首を拘束した。

空中でバランスが崩れて、そのまま2人とも地面に落下する。

下敷きになっている男が顔を顰めながらゆらを見上げた。
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