第6章 蒼炎を慈しむ※荼毘
ゆらはこの気持ちが何なのか、分からなかった。
初めで荼毘を見た時の衝撃。
自分のモノにしたいと思った衝動。
触れた時に、馬鹿みたいに高鳴った心臓。
荼毘に会いたいと思う、この依存的な気持ち。
これは全て正常な反応なのだろうか。
この全てが、恋なのか、個性からくる衝動なのかは分からない。
同じな様で、全然違う。
荼毘はあんな風に別れて、何とも思っていないのだろうか。
少しも自分と同じ様に、会いたいと願わないのか。
ゆらは考えても答えの出ない問いに、ベットに横になった。
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「あの女に会ったか?」
フラッと3日振りに集合場所に来た荼毘に、死柄木は言った。
「………まぁ、会ったな。」
ゆらは自分と会う前に死柄木と会ったのか。
少しモヤっとした。
「こっちまで巻き込まれたく無いから、ちゃんと処理しろよ。」
相変わらず、気怠そうに死柄木はダランと椅子に座っている。
「…巻き込まれたのか?」
「お前が居ないと、俺を標的にするのが面倒くさい。」
死柄木はゆらに絡まれるのが苦手な様だ。
「…………。」
そう言った死柄木を、荼毘は不思議そうに見た。
ウザいならさっさと殺す様な奴だ。
最初から、ゆらに興味が無さそうなのに、死柄木はゆらを殺そうとはしなかった。
「…何だよ…。」
「…いや?」
死柄木はジッと見てくる荼毘にイラッとした様に聞いた。
あの時の死柄木とゆらの光景を思い出す。
あのままゆらの唇が触れていたら、死柄木はどうしていたのだろうか。