• テキストサイズ

【R18】蒼炎を縛る【ヒロアカ】

第6章 蒼炎を慈しむ※荼毘


荼毘にとっても、そばに置いておくのは、爆弾の様な女だ。

「……お前…そっち側で生きづらく無いか?」

どうやって、こんな性格で今まで周りに溶け込んで生きて来れたのだろう。

荼毘の言葉に、ゆらは目を細めた。

元々持っていた衝動性だったのは確かだ。

だけど本当に、こんな風になったのは、荼毘が初めてだった。

そして、それから皮切りの様に、どんどんその衝動性が強くなった。

抑えなければ、ヴィランと何の変わりもない。

じゃあ、荼毘の事を忘れて、今までの様に過ごせと言われたら、もう出来そうにない。

「……そうだね……。」

そう言って、ゆらが目を伏せて思い出したのは、ホークスだった。

彼だけが唯一、ゆらの本質を見抜いていた。

それでも寄り添って、その衝動性が間違わない様に、ずっと側で見守ってくれていたのだと思う。

荼毘に会う事は、ホークスを裏切る事なのだろうか。

ゆらの乾いた心を知っているあの人が恐れているのは、荼毘以外にその衝動が向けられる事だろう。

「……理解して、側に居てくれる人が居たから…。」

生きづらくても、辛くは無かった。

「……俺と来るか?」

荼毘の言葉に、ゆらは目を瞑った。

「…ううん…。」

ゆらが首を横に振ると、荼毘は目を細めた。

「………戻るね…。」

自分の世界に。

そう言って、ゆらは服を着ると、その部屋を出て行った。














/ 366ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp