第5章 蒼炎を逐う※轟焦凍
ホークスの様に、ゆらの感情に当てられたキスでは無い。
触れるだけのキスでも、轟の気持ちが入ってくる様な気がして、ゆらはそのキスに身を任せていた。
「…秤は、何も感じない?…」
ただキスを受けてたゆらに、轟は伺う様に聞いた。
ゆらからを催促されている様だ。
「…私、下手くそだよ。」
ホークスに言われた事を思い出す。
「そんなの気にしないから、秤もしてみて。」
ゆらはギュッと目を顰めて、轟を見た。
ゆらは轟の頭を掴むと、彼の唇を喰むように咥えた。
少し逃げる頭を抑えて、唇を割って、轟の口内に舌を捩じ込んだ。
ゾクゾクッと、刺激が心地よく背中を走った。
繋がっている手をギュッと掴むと、ゆらは薄っすら目を上げて、轟を見た。
「…轟…。」
少し唇を離して、ゆらは呼んだ。
「…ん、もう少し。」
轟はそう言うと、ゆらに唇を押し付ける。
グッと、ゆらの腰を引いて、轟がゆらを布団に寝かせた。
轟の手が、顔の横に置かれて、ゆらは困惑した顔で轟を見上げた。
「…秤…、こっからどうしたらいいか分からない。」
チラッと見た、轟の下半身が膨れているのを見ると、ゆらは顔を顰めた。
「…轟、私も分からないよ…。」
こんな穏やかな衝動で、轟と何をすればいいのかなんて、分からない。
さっきのキスだけで十分に思えたのに、轟は違う様だ。
「じゃあ、俺のやりたい様にやっていい?」
轟はそう言うと、再びゆらにキスをした。