第5章 蒼炎を逐う※轟焦凍
(…ん?趣旨変わってる?)
最初は、ゆらを癒してくれる為の時間だったはずだ。
(…まぁ、いいか…。)
ゆらは夢中でキスをしてくる轟を見て、目を瞑った。
轟が、ゆらの腰を遠慮がちに掴んだ。
その手はそのまま服の中に入ってくるのだろうか。
流石に息を止めて、ゆらは轟の行動を探った。
案の定入って来た手を、ゆらは掴んだ。
「…轟、触りたいの?」
ゆらは轟の顔を覗き込んで、彼の目を見た。
急に握られた主導権に、轟は困惑した顔をしている。
その表情に、ゾクッとして、目元が緩んでしまいそうになる。
「……触りたい……。」
轟の紅潮した顔が、縋る様にゆらに言った。
ゆらはその顔に笑みを浮かべて、轟の手を離した。
昂った気持ちを抑えるのに、体を触りたいと思う事は、さほどおかしい事では無いと分かった。
問題は、どのタイミングで、そのスイッチが入るかという事の様だ。
それを性癖と言って、轟のこの反応は至って年齢相当の正常な反応なのだろう。
轟は左手を使おうとして、拘束具で身動きが取れない事に、目を顰める。
「…秤、これ解いて。」
懇願しながら言う轟の顔は、相変わらず可愛くて、ゾクゾクする。
「駄目、このままで♡」
轟が何で興奮しているか分からないが、ゆらはこのシチュエーションで興奮するのだ。
轟は目を顰めると、諦めた様に、右手を服の中に入れた。
服の中の体を確かめる様に動かす手に、ゆらはビクッと反応する。
その手がゆらの胸に触れると、轟はギュッと乳房を掴んだ。
人差し指が乳首に当たり、突起している部分を指で擦ると、ゆらの口が開いた。