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【R18】蒼炎を縛る【ヒロアカ】

第5章 蒼炎を逐う※轟焦凍


その轟の顔に、ゆらは胸が高鳴る。

コレは個性からくる高鳴りとは別だ。

「…ごめん。」

ゆらは体を起こして、轟を見た。

妙な気分だった。

個性からくる高揚感の疼きは、抑える術を知っている。

ゆらは大きく深呼吸して、鎖を持って、もう一度縛りれている轟を見て、心を落ち着かせようとする。

フッと、轟がゆらを見てきた。

相変わらず、口元は隠しているが、紅潮している顔がゆらの目に入る。

縛られている姿を見なくても、その顔だけで、居心地の悪い動悸が治らない。

ゆらは持っている鎖をギュッと握った。

「っ…イテ…。」

力が入ってしまったのか、締め付けられた轟から言葉が漏れた。

「ごめん…。」

さっきから謝ってばかりだ。

ゆらは鎖を轟から解いた。

「…もういいのか?」

轟が意外そうに言う意味は、ゆらが顔を赤くしながら、ギュッと目を顰めているからだ。

全然、足りていなそうだ。

「…まだ、していい?」

ゆらはそう言うと、轟の返事を聞く前に、彼の手を取った。

荼毘の時の様に、彼に触れれば落ち着くと思っていた。

それは間違いで、轟の手に触れた途端に、先程よりも鼓動が激しくなり、苦しさからゆらはギュッと手を握った。

轟に触れると、居心地悪さの方が強かった。

離れた方が、気分が落ち着きそうだ。

ゆらは轟の手を離そうと、手を緩めた。

「?!」

離れようとするゆらの手を、轟の手がギュッと握った。

ゆらは驚いて、轟を見ると、彼もまた顔を赤くして、ゆらと同じ様に、居心地の悪い顔をしている。
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