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【R18】蒼炎を縛る【ヒロアカ】

第5章 蒼炎を逐う※轟焦凍


ゆらは鎖を出して、轟に巻き付けた。

轟はやはり戸惑った顔をして、ゆらを見る。

ゆらは胸がギュッとなり、心地よい高揚感が全身を襲った。

やはり顔が好みなのも作用するのだろうか。

左の蒼い目が、荼毘と少し似ている。

荼毘が高揚感を昂らせる衝動を与えるなら、轟は高揚感を気持ちよく落ち着かせてくれる存在だ。

「…はぁ…♡」

ゆらはため息の様な吐息を吐くと、布団に倒れ込んだ。

轟は体がビクッとなって、動揺した様にゆらを見下ろしている。

ゆらは目元に置いた腕を少しずらして、轟を見上げた。

可哀想に、訳も分からずに縛られて、目の前の女の行動に理解が出来ないでいる。

大丈夫。

こうして轟を見上げているだけで、衝動は抑えられる。

ずっとこの高揚感で我慢出来ていたのに。

ゆらはギュッと目を顰めた。

それでも、同級生を傷付ける事はしなくて済みそうだ。

それだけは、安心出来た。

「…轟、怖がらないで、見てるだけたから。」

不安が轟の顔に、ゆらは少し悲しそうに言った。

ゆらの個性の衝動は、一般人からしたら、気持ちの悪いものだろう。

それは分かっているので、なるべく彼らには危害がない様にしている。

触らないから、その不穏な者を見る目を、やめて欲しい。

「…いや、怖がってるんじゃない…。」

ゆらの言葉に、轟がモジッと言った。

心なしか、顔も赤くなっている。

「?」

ゆらは轟の次の言葉が出るのを、不思議そうに見ていた。

「…男の部屋で、簡単に横になるのはどうかと思うぞ…。」

轟はゆらから顔を晒して、口元を腕で隠しながら、顔を真っ赤にして言った。
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