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【R18】蒼炎を縛る【ヒロアカ】

第5章 蒼炎を逐う※轟焦凍


もし、部屋に行って、彼が起きて待っていたら、もう治りはつかないだろう。

ゆらは意を決して、轟のベランダまで跳んだ。

足音なく、ゆらは轟のベランダに立った。

ここからどうしようか、いきなり入るより、やはりノックをした方がいいのだろうか。

ゆらは少し困っていると、ガラッと窓が開いた。

少し困惑気味の轟が出てきて、ゆらは轟に誘われる様に、彼の部屋の中に入った。

(…和室の構造の部屋なんてあったのか…。)

自分の部屋の作りとは違う轟の部屋に、ゆらはしばし部屋を見渡した。

「… 秤、よく大丈夫だったな。」

小さい声で轟が言った。

この場合の質問は、寮内をこんな時間に歩き回って大丈夫かと言う事だろう。

雄英のセキュリティーは外部に対しては、物凄く高いが、校内に関しては、そこまででも無い。

外に出ようとしない限りは、ある程度気を付けていれば、寮内を行き来する事は難しく無かった。

こんな風に、隣の寮に乗り込む位なら、ノーリスクで出来る。

そんな事をしようとするのは、ゆら位だろう。

「…後悔してる?」

目の前の優等生は、悪い事をしているみたいで、落ち着かない様だ。

この前、爆豪を助けに行った大胆さは、何処にいったのだろうか。

「…大丈夫…。」

轟はそう言うと、布団の上に座った。

ゆらも、轟の前に座り、少しお互いに見合った。

本当は早く轟を縛り付けたい。

でも、申し出てくれた轟の気持ちが落ち着くまで、ゆらは轟を待った。

「…腕は動く様にやってくれ。」

腕まで拘束されるのは、屈辱感が増す様だ。

その分、ゆらの昂りは半減するが、それはしょうがない。
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