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【R18】蒼炎を縛る【ヒロアカ】

第5章 蒼炎を逐う※轟焦凍


目の前の可愛い被食者をどうすればいいのか。

ゆらはギュッと高鳴る心臓を抑えて、堪えるのが精一杯だ。

「…轟を縛らせてくれたら、落ち着くかも…。」

それは轟が思っている様な、恐怖の不安感では無い。

昂りの話だか、その事は轟には分からない。

いつも挨拶の様に言っているゆらの言葉に、轟は慣れてきたのだろうか、さほど考えずにゆらに答えた。

「ソレで、秤の気持ちが晴れるなら…。」

いつもの様に、軽くあしらわれると思っていた。

轟の提案に、ゆらは目を見開いて驚いた。

絶対に、轟はそう言った自分が、ゆらにどんな風に扱われるのか分かっていない。

それでも、沸き起こってしまった衝動は抑える事ができなかった。

「……お願いします…。」

ゆらがジリっと、自分に近付いてきて、轟は思わず後退した。

「…ここでは無理だ…。」

流石に、こんな屋外で、ゆらに縛られている所を、他の人には見られたく無い。

轟は慌てた様に、ゆらに拒否のサインを出す。

ゆらはグッと、沸き起こる感情を抑える方が大変だった。

轟が今、何を言っているのか、本人は全く自覚が無い。

人目を避けて、ゆらの捕食対象になったら、その方が危険だと言う事を、全く理解していない。

雄英の同級生と言う、安心感が轟を無防備にさせているのだろうか。

ゆらはため息を吐いて、轟から目を逸らした。

ダメだ。

密室で、轟に個性を使った時、最悪はホークスの二の舞を轟にする事になる。

流石に轟にそこまでする気にはなれない。

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