第4章 蒼炎を追懐する :ホークス
ゆらはゆっくりと首を振る。
(お願い…いいって言って…。)
ゆらの切実な顔に、随分と焦りが見えた。
込み上げて来る衝動を抑えきれないのだろう。
(……少し、昂りを抑えさせるか…。)
ホークスはゆらの頭を掴むと、そのまま自分に寄せた。
ゆらの唇に触れた。
こんな事、ホークスにされたのは初めてだった。
ゆらは一瞬目を見開いて驚いたが、すぐに込み上げてきた疼きにホークスの手をギュッと握った。
ジャラッと自分の鎖の音が聞こえると、ホークスが自分に囚われた事を噛み締める。
ゆらは昂りを抑えられるずに、ホークスの唇の中に舌を入れた。
ホークスの顔を掴んで、自分から唇を何度も押し当てて、昂りをホークスにぶつける。
相手の息継ぎなど考えもしない。
苦しかったら、ホークスは自分で少し離れて息をするしか出来ないのに、すぐにまたゆらが塞いでくる。
キスというより、自分のモノだとマーキングされている様だ。
ホークスはグッとゆらの顔を押し返した。
唇が離れて、ホークスを見下ろすゆらは、完全に情欲を抑えられない顔に、目を細めていた。
「……お前に、キスを教えた奴は下手くそだなぁ。」
どうせ情欲をぶつける行為しかしなかったのだろう。
ホークスは呆れた様に苦笑いをした。
まだまだ足りない猛りが、熱い息となって、ため息として、ゆらから漏れた。
「…じゃあ、ホークスが教えて♡」
ゆらはそう言うと、ニッコリ笑って、ホークスの顔を撫でた。
ホークスは目を顰めて、ゆらの腕を掴むと、クルッと体を反転させて、ゆらの上に跨った。