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【R18】蒼炎を縛る【ヒロアカ】

第4章 蒼炎を追懐する :ホークス


(こんな足止めが、通用すると思っていたのか?)

ホークスの追撃に、ゆらはどんどん後退りしていく。

森から抜けて、とうとう周りの鎖が無くなった。

ゆらはもう後退は出来ない。

後ろには絶壁の崖しか無いからだ。

ホークスは大雨覆をゆらに突き付ける。

無数の剛翼がゆらを囲った。

「…何考えてる?」

剛翼に囲まれても、平然としているゆらに、ホークスは聞いた。

ゆらは更に後ろに下がり、崖から足を出したが、すぐに剛翼がゆらの体を支えた。

剛翼に身を任せて、宙に浮かぶと、ゆらはニッコリ笑ってホークスに言った。

「捕まえた♡」

ゆらは剛翼を掴んで、自分と拘束する。

「?!」

剛翼はホークスの体の一部だ。

個性を失った剛翼はただの羽になり、浮遊の機能を失った。

ホークスは慌ててゆらに手を伸ばした。

ゆらは目を細めて、自分の手から出した鎖を、ホークスに放った。

確信ていた、ホークスは絶対にこの鎖を手に取る。

ホークスはゆらの思惑通り、鎖を掴むと、ゆらを引き寄せて抱き締めた。

2人はそのまま落下する。

ドサっと2人が落ちたのは、ゆらが張り巡らせた、鎖の上だった。

「………………。」

ホークスは仰向けになって、自分の羽がヒラヒラと舞っているのを見た。

ゆらは繋がっているホークスの手をぎゅっと掴むと、起き上がってホークスを見下ろした。

「絶対、ホークスは鎖を掴むと思ってた。」

そう言って笑ったゆらに、ホークスは顔を顰めた。

鎖をたくさん重ねて作ったこのネットが、まるで蜘蛛の巣の様で、自分はまんまと飛び込んだ、間抜けな被食者の様に思えた。
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