第4章 蒼炎を追懐する :ホークス
(ゆら…一体何を見つけたんだ?)
ホークスはゆらに問いただしたかった。
自分以上に、ゆらを渇かせたその正体を。
剛翼はすぐにゆらを見つけた。
(…隠れる気は無いな。)
ゆらの動き、居る場所、息の吐き方で、ホークスはそう判断した。
「?!」
次に剛翼が感知したのは、ゆらの周りにある、無数の鎖のだった。
木から木へと、ありったけの鎖がゆらの周りを囲んでいる。
どれかは本物の鎖で、どれかはゆらの個性だろうか。
ホークスがそこに行って、鎖に触れるのを待っているのだろうか。
別に、ホークスが直接行かなくても、剛翼に任せれば、鎖に触れない様にゆらを捕まえる事は出来るだろう。
だけど、ゆらは確信している様だった。
分かっていても、ホークスは直接来るだろう。
そんなホークスだから、ずっと追いかけてきたのだ。
ホークスの口元が口角を上げると、ゆらに誘われていると分かっていて、その場所に向かった。
ゆらの姿を空中から確認する。
ゆらを囲う様に、鎖が連なっているのを見て、ホークスは目を顰めた。
あからさまな挑発。
何を考えているか、ゆらを攻略するのも稚拙だ。
年上らしく、ここは真っ向からゆらの相手をしてやろうか。
ホークスがゆらに向かって来ると、剛翼が次々に鎖を切っていく。
個性に触れる事に躊躇いは無いのだろうか。
鎖はホークスにとって、何の足止めにもならなかった。
ゆらの体はどんどんホークスに追い詰められて行く。