第2章 蒼炎を喰む※荼毘
ショックを受けた様な、信じられない様な顔で、轟はゆらを見ている。
ゆらはそう言った轟を見て、目を細めて笑った。
そんなゆらを見て、轟と爆豪は、ゾクリと鳥肌が立った。
自分達を見て微笑むゆらは、鳥肌が立つほど『美し』かった。
B組の彼女は、普段接点は無いが、至って普通の女の子に見えた。
授業でも、体育祭でも特に目立った事をしていなく、その際立った容姿さえ無ければ、目を奪われる事など無かった。
ひた隠しにしていた個性でも無かった。
本当にそんな機会も無く、縛り付けたいと言う欲求が現れなかっただけだった。
(爆豪君、そんな変態を見る様な目で見ないでくれ。)
縛って何かしたい訳じゃ無い。
あくまで観賞用だ。
誘い込んで、自分の巣で捕獲する女郎蜘蛛の様に、その光景を眺めていたいのだ。
実際の女郎蜘蛛の様に、オスを食べたりしない。
今は、授業のポイントの大義名分がある為、2人を心置きなく縛っておけるので、とても気分が良かった。
「一騎打ちだったら、そこそこの相手でも捕獲出来るけど、多勢だったら、難しいんだよね。
今度の強化合宿では、そこら辺を鍛えられるといいけど。」
ゆらは2人の前に腰掛けながら、顔に手を付いて言った。
「そこそこ呼ばわりするなぁ!」
爆豪はいちいちゆらに怒鳴って返してくる。
「‥ちなみに個性使えないだけで、ちょっと強度の高い鎖だから、自力で解ける事も出来るよ。」
まぁ、今の2人には無理だと思うけど。
ゆらにそう言われて、2人は体に力を入れて試してみた。
(素直で可愛い♡)
そんな2人の姿を見て、ゆらはまた満足そうに微笑んだ。