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【R18】蒼炎を縛る【ヒロアカ】

第2章 蒼炎を喰む※荼毘


「…意外に簡単に捕まったね、爆豪君。」

ゆらは自身の出した鎖で柱に縛られている爆豪を見ながら言った。

隣には同じ様な体制で、轟も縛られていた。

A組とB組の対抗訓練。

普段、滅多にお目にかかれない2人に、ゆらは目を細める。

「っふざっけんなよ!変態女!」

爆豪はコレでもかと、睨みながらゆらに怒鳴った。

「何でテメェ個性偽ってんだよ!」

ゆらは自分の腰に巻いてある鎖を触りながら、怒鳴ってくる爆豪に笑みを見せた。

ゆらはヒーロー科の皆にも、自分の個性が抹消と言う事を伝えていなかった。

正確には、腰に付けている鎖でヒーロー科目や体育祭を対応していたので、周りが勝手に鎖の個性だと思っているだけだ。

敢えてゆらは自分の個性を言っていなかった。

元々身体能力には自信があったし、それこそ鎖が個性と思われるまで、ずっと使い込んできた武器であるのも変わりない。

「…偽っていると言うより、言って無かっただけだよ。」

個性を公表していたら、警戒されて鎖をただの武器だと思って貰えなくなる。

そしたらつまらないのだ。

こうしてイケメンを縛る事が出来なくなって。

ゆらはとても気持ちの良い光景に、思わず顔が緩む。

「言っちゃったら、こうして縛れなかったから♡」

一回でも良かったから、2人まとめてこうして縛った姿を見たかった。

もう、思い残す事は無い。

「いいからさっさと解け!クソが!」

「授業が終わったら、個性解くよ。」

それまでは、ずっとこの光景を愛でていたい。

「……秤がこんな性格だったとは思わなかった…。」

さっきまで黙っていた轟がポツリと言った。

どんな意味で言っているのだろうか、考えるまでも無く、その表情ですぐに分かった。
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