第4章 蒼炎を追懐する :ホークス
ゆらはコレから荼毘を探そうとしていた。
昼間は学校がある為、夜動こうとしていたのだ。
寮に入ったら、行動に制限が付く。
(っそんなのダメだ。)
ゆらはチラッとホークスを見た。
骨は折れるが、ホークスの力を借りないといけない様だ。
ゆらは一通り、上官の説明を受けると、何も言わずにそのまま部屋を出た。
ゆらと一緒にホークスも付いてきた。
やはりホークスはゆらに何か言いたそうだ。
そんなホークスを見て、ゆらは自分からホークスに声をかけた。
「…ホークス、アレ付き合って。」
毎回付き合ってくれる訳では無いが、今日は付き合ってくれるだろう。
「…あまり時間は取れないよ?」
ホークスがそう言うと、ゆらはニッコリ笑った。
丁度いい、ゆらもそんなに時間をかける気は無かった。
ホークスとゆらが向かったのは、2人がよく行く公安私有地の山だった。
ここで昔から、ホークスとトレーニングしていた。
今ではゆらは雄英に入り、ホークスもプロヒーローになった為、ここに来るのは久しぶりの事だった。
「ヒーロースーツは?」
私服のままのゆらに、ホークスは聞いた。
「今日はいい、慣らしの様なモノだから。」
ゆらは体を軽く動かしながら、ホークスに言った。
グッと体を伸ばすと、ホークスに向かって笑って言った。
「ホークス、今日は縛らせてね♡」
ゆらはずっとホークスを捕まえる事は出来なかった。
早すぎるホークスを、ゆらは捉える事が出来たためしがない。