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【R18】蒼炎を縛る【ヒロアカ】

第4章 蒼炎を追懐する :ホークス


確かに、この状況で、ゆらが爆豪に付いても、何ら不利な体制は変わらない。

ゆらの個性を知っている荼毘ですら、平然と目の前に立っている。

ゆらは大きく息を吐いた。

何処までいっても、目の前に居るヴィラン達は、捕食対象にしか見えない。

そこに、心を寄せた荼毘に対しての申し訳なさも無い。

狩れる瞬間があるなら、見逃さない。

誰かに横取りされる前に、荼毘に鎖を縛るのは自分だけだ。

ゆらはたまたま対峙しているから、ヴィランの敵になるに過ぎない。

ヒーローにその対象がいたら、何も考えずに同じ事をする。

そんな衝動を起こさせない、爆豪が、今はとても頼もしい。

死柄木は爆豪に対して、感情的になる事は無かった。

ソコにはやはり、情報とは違う死柄木の姿が見えた。

何処かでまた、死柄木が変わるタイミングがあった様だ。

死柄木が『先生』と呼んだ先に、テレビの画像が変わった。

ゆらはその画像を見て、ドクンと心臓が高鳴った。

薄暗い画面に、『先生』と呼ばれた人物の全体像は見えなかった。

だけど、彼の喋り方、彼の声に、ゆらの心臓は鼓動が治る事は無かった。

画面の奥に、死柄木を別段と感じるほどの、捕食者が居る。

その現実に、ゆらは鼓動が治らない、胸をぎゅっと握った。

本当に、彼らは何処までも、ゆらの衝動を掻き立てる。

緊縛した空気を壊したのは、1人の訪問者だった

「ピザーラ神野店です。」

誰もが一瞬、気を取られただろう。

その瞬間、壁を壊して入って来たのはオールマイトだった。

「?!」

大きな破壊音に、誰もが気を削がれた。
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