第4章 蒼炎を追懐する :ホークス
荼毘の思った通り、自分と繋がってればゆらは離れない様だ。
薄暗い廊下を歩いて、ドアを開けると、その部屋の中に、合宿を襲って、戻って来たヴィラン達と、爆豪が椅子に拘束されていた。
随分と暴れたらしく、厳重に拘束されている。
入って来たゆら達を一斉にヴィラン連合が見た。
爆豪も顔を上げて、驚いた顔をゆらに見せている。
一緒に連れて来られたと、知らなかった様だ。
爆豪が荼毘と繋がれている拘束部分に目を細めた。
捕まっているのか、捕まえているのか、理解出来ない光景の様だ。
ゆらはスッと荼毘との拘束を解くと、爆豪の隣に行った。
「大丈夫?」
「何でお前が居るんだ。」
拘束もされていないゆらを、不機嫌な顔で見ている。
「…暴れなかったら、拘束されないよ。」
そうゆらが言うと、爆豪は舌打ちした。
自分が拘束している訳ではないが、こうして捕まっている爆豪を見て、少し胸が高揚した。
同級生を心配する所か、やはり自分の欲求が先に生まれる。
まぁ、それはお互い様の様で、爆豪もゆらを心配をしている様子は無く、ただ苛々しているのが伝わる。
こういう所が2人とも、ヴィラン要素を問われる箇所である。
荼毘は自分から離れないと思っていたゆらが、あっさり爆豪の所に行ったのが気に入らない様だ。
こちらも不機嫌そうにゆらを見ているが、ゆらはもう荼毘を見なかった。
死柄木が椅子に座ると、どうやら話し合いの始まりの様だ。
TVに画像が映し出されて、雄英の会見が始まった。
相澤先生の記者応答の言葉を、爆豪は黙って聞いている。
ゆらは真剣に画面を見ている爆豪を、チラッと見た。