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【R18】蒼炎を縛る【ヒロアカ】

第4章 蒼炎を追懐する :ホークス


死柄木が目を細めて、ゆらを見た。

ああ、やはりまだ折れない死柄木に、気持ちが昂った。

荼毘に感じた感情とはハッキリ違った。

喰うか喰われるか。

荼毘はこの衝動を許さないだろう。

それでも、目の前の死柄木を喰みたい気持ちは抑える事ができなかった。

ゆらは唇を開けて、死柄木の顔に近付いた。

分かる。

この唇が触れたら、死柄木はゆらに噛み付くだろう。

ただ捕食されない死柄木に、ゆらは目を細めるが、死柄木が自分に与える攻撃を、ゆらは加味していなかった。

喰らわれても構わない、更に喰らい尽くすだけだ。

ゆらの唇が、死柄木に触れる瞬間に、2人の時間に亀裂が入った。

ゆらは死柄木の部屋に入ってきた荼毘を見た。

「…準備が出来たぞ。」

荼毘の準備が何か分からなかった。

ゆらが感じたのは、これ以上死柄木を喰らう衝動が、荼毘によって治った事だけだった。

死柄木はグッとゆらの髪を掴んだ。

「コイツは置いておけばいいか?」

ゆらを荼毘に見せつける様に、死柄木は言った。

「……連れて行こう。」

もしここにゆらを置いていったら、ゆらは間違いなく、ここから逃げるだろう。

ゆらはぎゅっと目を顰めて、荼毘を見た。

荼毘は手を出すと、ゆらに言った。

「ゆら、来い。」

ゆらは荼毘の言葉に、すぐに死柄木の拘束を解いた。

そして荼毘の手を掴むと、荼毘と自分の手首を再び拘束する。

荼毘の手をぎゅっと触って、ゆらは荼毘を見上げた。
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