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【R18】蒼炎を縛る【ヒロアカ】

第22章 哀傷と蒼炎※焦凍


「……ゆらは大丈夫だよ……。」


耳元で焦凍の声が聞こえると、震える顔を押し付ける様に、焦凍の胸に顔を埋めた。

しばらく焦凍はゆらの震えている体を抱き締めた。



「……俺も……ショックだったけど、大丈夫……。何も気持ちは変わらねぇ……。」


そう言った焦凍の腕が、抱き締める力を強めた。
ゆらは返事も出来なくて、ただ嗚咽を吐くだけだった。


焦凍はそんなゆらが落ち着く様に、優しく背中を撫でた。



「………俺が止めるから………。」


そう言った焦凍の言葉に、ゆらは目を開けた。



「ゆらがもし、その嗜虐性が現れて他害しそうになったら……そうなる前に絶対止める。ゆらに誰も傷付けさせない。」


ゆらが誰も傷付けない様に。
ゆらが傷付かない様に。


その時がもし来るのであれば、絶対に自分が止める。


人を傷付けたくないと、自分の腕の中で泣くゆらが。
やっぱり愛おしかった。


愛おしくて、彼女を守るのは、どうしても自分でありたい。

今はまだ全然力が足りなくて。
ゆらに先に鎖を使われてそうだけど。



本当にゆらがそんな行動をしようたしたなら。

きっと世界一綺麗な氷結が出来るだろう。



自分の個性なら、ゆらを止めて、これ以上ゆらが自分の個性で泣かない様に。

その側に居るのは、この先どんな時でも自分でありたい。



そして何より、ゆらはその先に進まないと分かっている。



不器用で、自分の個性に振り回されながら。

それでもいつも抗って戦っているゆらを知っている。
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