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【R18】蒼炎を縛る【ヒロアカ】

第22章 哀傷と蒼炎※焦凍


「…焦凍が好きなの……荼毘が好きでも……。」



自分で言っているのに、最悪な言葉だと分かっている。

だけど言わずにはいられなかった。



思い切り焦凍に抱き付いて、嗚咽に混じった声で、ゆらは焦凍に伝えた。

焦凍は、微妙な顔で苦笑いしたけど、「分かってる。」と小さく応えた。



抱き締めているゆらの腕を解くと、焦凍はゆらの顔を覗いた。

そして俯いているゆらな顎に触れると、ゆらの顔を上げた。




目を真っ赤にして、まだ涙を溜めているゆらの頬に唇をつけた。

そして赤い唇にやっとキスをする。


せっかく解いたのに、ゆらの腕がまた焦凍に巻き付いてくる。



まるで、ゆらの鎖の様だった。
鎖で無くても全身で焦凍を欲しがるゆらが、とても愛おしかった。



ふと、自分が何故ゆらの鎖に縛られたかったか、そんな事を考えた。


彼女の鎖に縛られて、ゆらに貪る様にキスをされると。

自分を求められているみたいで、気持ちが高揚した。



だけど、ある時からゆらはあまり鎖は出さなくても、同じ様に焦凍を求める様になった。




ずっとゆらは焦凍に伝えていたのだとやっと分かった。



こうして抱き合っている時間は、個性の衝動では無くて、ゆらが焦凍を好きだと。

ゆらがそう伝えているのだと、やっと分かった。



自分の個性の衝動に苦しんでいたゆらに。

鎖で繋がれていないと不安になっていた過去の自分を恥じた。



「……ゆら…ごめん……。」

分かっているつもりで、何も分かっていなかったのかもしれない。








ずっとゆらは焦凍に助けを求めていたんだ。
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