• テキストサイズ

【R18】蒼炎を縛る【ヒロアカ】

第21章 オリジン※荼毘・死柄木














ーー

ーーー

ーーーー





ホークスの部屋を出ても、いく場所なんて無かった。
ただ、あの部屋に居て、ホークスと顔を合わせる事がどうしても出来なかった。


ワザとホークスを呼び寄せたであろう荼毘を恨むつもりもない。

アレは全て自分の性が起こした事態だと分かっている。


ホークスには知られまいとずっと隠していた自分の願望。
ホークスだけでは無い、焦凍や雄英の友達。

自分を知る人達と全員に知られたく無い自分の真の姿。


ホークスと目が合った時、彼の顔に怒りは無かった。
そこにあったのは、ゆらへの諦めの色だった。


側にこうして部屋を出て行っても、ホークスは探しに来ない。

剛翼だったら、この街の何処にゆらが居るのかすぐに分かるのに。



涙が出そうになって、ゆらは空を見上げた。

昨日脳無に破壊されたビルが、補修されている。
所々で、ヒーロー達も警備をしている。


普段だったら、自分もその光景の中にいるはずなのに、何故か今は他人事の様にその光景を見ていた。


ホークスはゆらを探すより、優先すべき事が沢山ある。


今この場に居ないのは当然だ。
そう分かっているのに…。

どうしてもあの時のホークスの顔が頭を過ってしまう。


(ホークスに見捨てられたらどうすればいいのか分からない……。)


ゆらは両手で顔を覆って、絶望感に押し潰されそうになるのを必死で堪えた。


(……焦凍……焦凍に会いたい……。)


そう思ったら、もう足が止まらなかった。

こんな時に焦凍に縋りたいなんて浅ましいと分かっているのに、どうしてもその衝動を抑えられなかった。


/ 366ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp