第21章 オリジン※荼毘・死柄木
ホークスが荼毘と接触しているかもしれない事は分かっていた。
だけどまさか、こんな場所で、こんな形でホークスと会うなんて思っていなかった。
そして、このシチュエーションを現実にしたのは、間違い無く荼毘だと分かっていた。
何の為に。
そんな事すぐに分かった。
荼毘はホークスに縋ってヴィランに落ちてこないゆらに怒っていた。
ホークスが部屋の中に入って来て、ベッドに近付いてくる。
思思わず目を逸らして、ベッドのシーツで体を隠した。
いつから……どんな醜態をホークスに見せていたのかなんて思い出せもしない。
ホークスの手が伸びてきて、シーツごとゆらを掴んだ。
そしてそのまま抱き上げられると、ゆらの目から涙が溢れた。
ホークスの顔もまともに見れないのに、この腕に抱かれている事さえ辛いほど、ホークスの目の前から消えたかった。
一生懸命にシーツに顔を隠して、ホークスに見られない様にした。
震えているゆらが泣いているとすぐに分かると、ホークスは荼毘を一瞥する。
荼毘はその光景を面白そうに笑っていただけだった。
「……どうだ?それでもそいつはそっち側か?」
そう言った荼毘の奥に死柄木の姿も確認した。
死柄木のゆらが付けた痕を見る限り、その情欲を荼毘よりぶつけていたのがよく分かった。
最悪だった。
ゆらの衝動の対象の荼毘と、他害行為の対象がここには揃っている。
どちらもホークスにも見せていた衝動だったが、剛翼を毟りたいと言っても、ゆらはホークスには実際にはしない。
だけど死柄木なら……その感情を抑える事なくぶつけている。