第21章 オリジン※荼毘・死柄木
荼毘が言う未来が起きたなら、ヒーロー側には最悪だ。
隠してきたゆらの個性が露わになり、ゆら自身成長と遂げている最中のまだ10代と言うことを簡単に考えていた。
「アレはうちには必要だ。」
荼毘がゆっくりとホークスに近付いて、その横を通り過ぎた。
その際にチラッとホークスを見て荼毘は言った。
「何より……あれはこっち側の人だろ。」
荼毘の言葉に目眩がした。
否定したいが正直、今揺れているゆらは危うかった。
ただ単純に衝動だけの話じゃ無い。
よりにもよって、あの不器用な少女が選んだ初めての恋の相手が荼毘なのだ。
それをこの男はよく知って、利用しているとすぐに分かった。
離れていく荼毘の背中に、ホークスはぐっと拳を握った。
「死柄木さぁ、お前って独占欲あるの?」
「……なんだそれ?」
ゆらの体を確かめる様に舌を這わせながら、荼毘は死柄木に聞いた。
「痕付けすぎだろ。」
舌打ちをしながら荼毘が言うと、死柄木は面白そうに笑った。
荼毘の舌にビクビクと体を震わせているゆらの肩を掴んだ。
自分が付けた歯形が青黒い痣になっているのを見て、ぎゅっと掴んだ。
「っー!」
ゆらの顔が痛みに歪むと、死柄木はゆらの顔を掴んでキスをする。
その様子を見て、荼毘は顔を上げると死柄木の肩を押した。
「壊すなよ。」
そう死柄木に牽制した後にゆらを見下ろした。
「お前もなんで鎖出さないんだ?」
顔を真っ赤にして、荒い息を繰り返して衝動を抑えているゆらに聞いた。
荼毘の言葉に、ゆらは顔を背ける。