第21章 オリジン※荼毘・死柄木
衝動では無いのだから大丈夫。
そんな無意味ないい訳をした所で、チラつくのは焦凍やホークスへの罪悪感だけだった。
舌を絡めると、死柄木に噛まれた患部に刺激が走って顔を顰めた。
荼毘は所々腫れている患部と、そのゆらの顔を見て、チラッと死柄木を見た。
死柄木はすでに、もうゆらには興味が無さそうだ。
いつもの様に悪ノリに乗ってくるわけでも無いのは、多分、自分の情欲はさっさと済ませたからなのだろう。
「部屋、移るか?」
少し唇を離して、荼毘は聞いた。
その荼毘の言葉に、どういう意味が含まれているかは、簡単に想像が付いた。
ゆらは荼毘を拘束していた鎖を外して、目を伏せた。
そのゆららしかぬ行動に、今度は荼毘が目を顰めた。
「…いい…帰りたい。」
グッと手を握って、ゆらは言った。
そう言ったゆらを面白く無さそうに荼毘は見下ろした。
「ああ…じゃあここでいいや…。」
そう言って、ゆらの肩に手を置くと、そのままベットの上にゆらを押し付ける。
怒りを含んだ荼毘の目を見て、ゆらは更に顔を顰めた。
「荼毘…連合には戻らないって言ってるじゃ無い。こんな事しても変わらないよ。」
「………状況が変わってね……。」
荼毘の言葉は、ゆらへの答えになっていない。
ゆらが何か言う前に、荼毘は死柄木が付けた肩の患部に同じ様に噛み付いた。
ただでさえ、ヒリヒリしている患部に新しい傷を付けられて、ゆらの肩はビクッと跳ねた。
その後に荼毘の舌が患部をなぞる様に舐めると、もう荼毘は止まらないとゆらは思った。