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【R18】蒼炎を縛る【ヒロアカ】

第21章 オリジン※荼毘・死柄木


狂気を感じた荼毘の手に、鎖が出たのは反射的なモノだった。

ゆらの鎖が荼毘の手首に絡まって、臆することなく、荼毘はその手でゆらの顔を掴んだ。


死柄木との行為で落ち着いたはずの衝動が、再び体を駆け巡る。
顔が紅潮するゆらを見て、荼毘もゆらの様子を理解した。


「は……荼毘……。」


いくら平然と装っても、荼毘はゆらが今どんな衝動に駆られているか、よく分かっているだろう。
あいも変わらず、触れただけで自分を欲するゆらの顔に、荼毘は満足そうに笑った。


「どうした?No.2じゃ足りなかったか?」

荼毘がそう言ってゆらの顔を覗き込んだ。
近付いた荼毘の顔に、今すぐ喰らい付きたい衝動を我慢した。


「まぁ、全然足りなかったのは、一目瞭然だな…。」


荼毘はチラッと死柄木を見た。
荼毘の目線に気がつくと、死柄木もニヤッと笑った。
その笑顔がまた苛々させる。


ある程度、想像してゆらを送り込んだのだが。
いつから死柄木はゆらで情欲を満たす様になったのだろうか。


まぁ起きてしまった小さな誤算は、今はどうでも良かった。


荼毘がゆらの唇を喰むとゆらは目を顰めた。


ゆらは個性の衝動を性欲にすり替える事が出来る。
特に、ホークスなんかはそうだ。


だけど、荼毘とのキスで感じるのは、やはり個性の激しい衝動と。
荼毘が好きだと思う、自分の感情だった。


悔しいな。
目の前の男は決して同じ気持ちではキスをしていない。


こうやって我慢出来なくて腕を回して抱き締めているのは、衝動がつき動かせているのではなくて。


久しぶりに会った荼毘に触れたかった。
そんな気持ちだけだった。

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