第21章 オリジン※荼毘・死柄木
見た目の性格より可愛らしいと思っていたのに、どうやら昔から『獲物』は決めていた様だ。
荼毘はゆらに触れている死柄木の手を見て、舌打ちした。
(よくもまぁ、こんな性分で俺だけだと言ったもんだ。)
自分と出会ってから、ゆらは何人の男に抱かれただろうか。
そろそろ片手じゃ数えられなくなりそうだ。
「死柄木退けよ。」
「はぁ…お前が俺の部屋に送ったんだろ?」
そうだとしても、仲良くし過ぎだろう。
こっちはホークスに牽制されて、イライラしていると言うのに。
「帰りたい。」
死柄木と荼毘のやり取りを見ながら、ゆらはポツリと言った。
不機嫌そうな荼毘の顔がすぐにゆらを見た。
「……連合には戻らないよ、荼毘。」
ゆらは荼毘から目を逸らして俯きながら言った。
そのゆらを見て、荼毘と死柄木の目が細くなる。
「…ホークスね……、あいつはお前の何だ?」
「ホークス?」
「黙っててくれよ、リーダー。」
ホークスの名前を聞いて、意外な顔をしたのは死柄木だけじゃ無い。
予想はしていたけど、荼毘とホークスが繋がっているのが分かると、一瞬ゆらの目も伏せられた。
隠した所で、荼毘はホークスの生い立ちを調べているだろう。
だけど、以前にゆらの事は何も分からなかったと言った。
ならまだ、公安でホークスと繋がっている事はバレていないはずだ。
「……ホークスとは施設にいた時に会ったの。」
これは嘘じゃ無い。
やっと出て来たゆらとホークスの繋がりにら荼毘の手がゆらに伸びた。