第21章 オリジン※荼毘・死柄木
ズカズカとそのまま部屋に入ってくる荼毘に、ゆらは目を細める。
2人が居るベットに荼毘が乗ると、ギシッと3人分の重みでベットが軋んだ。
荼毘がギュッとゆらの頬を掴んだ。
相変わらず、死柄木とは傷だらけのゆらに荼毘は笑った。
ゆらの首に、死柄木の手の痕がクッキリの付いている。
勿論、その他の情事の痕もしっかり体中に付いている。
「久しぶりに楽しめたか?」
荼毘がニヤッと笑ってゆらに言った。
別に久しぶりでは無い。
そんな事を言ったら、この笑顔が崩れそうだ。
ゆらは言葉を飲み込んだ。
目を伏せたゆらに、荼毘は目を顰める。
いつも自分に会えば、勝手に抱き付いてくるゆらが今日は居ないからだ。
荼毘は先程まで会っていたホークスの言葉を思い返した。
「もっと仲良く出来ないかなぁ荼毘。」
そう言って剛翼を自分に向けるホークスに、少し右手を上げたがすぐに下げた。
この男が今ここで自分を攻撃するとは思わなかったからだ。
「ザコ羽しか残って無かったんじゃねぇのか?」
「嘘つきと丸腰で会うわけにはいかなかったからな。」
お互いに思い通りにいかなかった。
そんな事を押し合っても、分かち合える言葉は出てこない。
そして、言い合いたいのもそんな言葉じゃ無かった。
「こっちも体裁があるんだって、ヒーローとしての信用を失う訳にはいかない。
もうちょっと長い目で見れんかなぁ。」
中々心の内を出さない男だ。
でも問題ない。
元より信用してないから。
「……取り敢えずボスには会わせらんねぇ。」