第21章 オリジン※荼毘・死柄木
「…ホークス…、ホークスを縛りたい。」
その感情を押し込めることが出来なくなって、私は懇願する様にホークスに言った。
その個性で骨を折られたホークスがどんな気持ちになるか分かっているのに、どうしても縋る事しか出来なかった。
「……いいよ。」
ホークスは少し考えた後に、そう言ってくれた。
その答えに一瞬ビックリしたけど、許可を貰った事が嬉し過ぎて、その時のホークスの心情なんて考える事が出来なかった。
鎖を出すと、ゆっくりとホークスを巻いていった。
冷たい鎖の感触と、ジャラッと立てる音が心地よくて、ホークスが巻かれるたびに、私の気持ちは高鳴っていった。
ギュッと鎖がホークスを縛ると、私は感じた事のない安心感に溢れてため息を吐いた。
こうしていると、ホークスが自分のモノになった様だ。
つい鎖に力が入ると、ホークスは顔を顰める。
「ゆら、痛い。」
ホークスの言葉で、私は鎖の力を緩める。
そうして、ホークスはたまに私に身を任せてくれて、私の衝動を抑えてくれていた。
けど、頼めば縛らせてくれる訳でも無い。
ホークスは断る時もあった。
そんな時に、我慢が出来なくてホークスを縛った事があった。
その時ホークスは初めて私に怒った。
「ゆら、勝手に人に個性を使ったら犯罪だ。
俺がいいと言った時以外に、俺に触れるな。」
骨を折られても怒らなかったホークスの声がいつもより低くて、私はすぐにホークスから鎖を外した。
そうしたら、ホークスはいつもの様に笑って頭を撫でてくれた。
そうやってホークスは昔から、私の感情を受け止め、正しく私と向き合ってくれていた。