第21章 オリジン※荼毘・死柄木
あの時の、私を見上げていたホークスの顔を、今でも忘れられないでいる。
そすぐに、施設の大人達が集まり、ホークスを何処かに連れて行った。
私の高揚はすぐに治り、その場に残された私に纏った感情は『恐怖』だった。
冷静になればなるほど、先程の自分の感情が自分でも処理出来なかった。
分かっている事はただ1つ。
私がホークスに怪我をさせた。
それが個性事故だと処理された中で、私だけははっきり分かっていた。
アレは個性のせいでは無い。
自分の感情が起こした事件だったと。
私の感情は人を傷付けると、その時から私は知っていた。
しばらくホークスと会えない日が続いて、私はホークスに謝る機会も貰えず、自分の気持ちを処理する事が出来なかった。
だけど、次に会った時は、ホークスから私に会いに来てくれたんだ。
個性事故を起こした私の周りには、施設に居た友達も寄り付かなくなっていた。
そんな風にポツンと1人で居ると、ホークスは私の元にやって来た。
痛々しく包帯を腕に巻いているホークスの姿を見て、私は胸が痛くなった。
「……ごめんなさい……。」
そう言った時には涙が溢れて、顔を俯かせて自分の涙を拭きながら、何度も何度もホークスに謝っていた。
ホークスはそんな私に、『もう大丈夫』と優しい声で言ってくれた。
彼は幼い見た目とは違い、とても聡い子供だった。
私の感情が個性と直結すると、ホークスはこの時から分かっていたんだと思う。
そして私の歪んだ感情も、ホークスは理解していた。
そうしてホークスと一緒に居る事が増えると、私はだんだんとホークスを縛りたい感情を抑えられなくなってきていた。