第21章 オリジン※荼毘・死柄木
ホークス…。
私は初めて個性が発現したした時の事を今でも鮮明に覚えているよ。
私の個性の発現は人より遅かった。
誰もが私は無個性なのだと思っていたのだと思う。
だけど、今だからハッキリと分かる。
私の周りに『私が欲しいと思った人が居なかった。』
それだけだった。
産まれてすぐに親に捨てられた私は、物心が付いた時から施設に居た。
その施設にホークスが入って来たんだ。
ホークスが施設の皆んなに紹介された時に、私はホークスの背中にある真っ赤な剛翼しか見ていなかった。
そして私はその日初めて『アレが欲しい』と心から思った。
それは今みたいな衝動では無くて、子供らしい好奇心だった。
1人で園庭にポツンと居るホークスに、自分から近づいた。
ホークスは距離を詰める私を見ても、その場を動こうとしなかった。
言葉を交わす前に、私はホークスに手を伸ばした。
その時初めて、自分の手から鎖が伸びるのを見た。
鎖は瞬時にホークスを拘束した。
鎖に縛られているホークスを見て、心臓が破裂しそうな高鳴りを覚えた。
ホークスはいきなり縛られた戸惑いと、私の表情を見て顔を顰めた。
その顔にさらに高揚を覚えて、私は鎖の力を強めた。
その瞬間に、ホークスの顔が更に歪んで、ボキッと骨の折れる音が聞こえた。
私はその音を聞いて、慌てて鎖を解いた。
疼くまりながら、ホークスが冷や汗を出しながら私を見上げた。
そのホークスの顔を見て、私は更にドクンドクンと自分の血が猛っている感覚に戸惑いながらもその心地よい余韻に笑みを浮かべた。