第20章 蒼炎乱舞※死柄木②
たいした愛撫もしないのに、死柄木はゆらの中に入ろうとする。
案の定、無理やり押し入れないと入りそうもない。
「死柄木……。」
ゆらが唇を離して死柄木の名前を呼んだ。
「そのままでいいよ♡」
ニッコリ笑って、ゆらはたいして濡れていない自分の中に、死柄木のモノを押し込もうとする。
「っ!!」
痛みで体が強張ったけどたいした事じゃない。
はぁ…と大きく息を吐いて、ゆっくりと死柄木のモノを押し入れていく。
「…いてぇな…。」
滑らないゆらの中は、死柄木にもキツそうだ。
死柄木の顰めた顔を見て、ゆらは恍悦の笑みが漏れた。
死柄木には快楽の顔より、痛みの顔の方が似合っている。
そう思えて、その顔に抑えられないほどの衝動が背中を突き抜けた。
痛みで歪んでいる死柄木の顔に手を触れた。
ぷくっと柔らかい死柄木の泣袋を親指でさすった。
ああ……やっと……。
この目を手に入れられる。
口角が大きく広がり、目を見開いて死柄木の目に親指を添えた。
その瞬間。
頭の中で死柄木の血を浴びて、恍悦に浸っている自分の姿が視えた。
「?!」
向き合っていた体が死柄木によって、再び床に押し倒された。
ゆらは死柄木の顔から離れた自分の手を見て目を見開いた。
伸ばした自分の手の先に、あの赤い目がゆらを見下ろしていた。
「余計な事考えてんな。」
そう言って死柄木はグッと無理やりゆらの中に全て押し込んだ。
「いったぁ…!!」
デジャヴの様な痛みに、今度は顔を顰めたのはゆらの方だった。