第20章 蒼炎乱舞※死柄木②
ゆらの言葉に、嫌な顔をする死柄木が見れて、ゆらは気分が良くなった。
別に返事なんて何でもよかった。
この顔の死柄木を見たかっただけだから。
「……考えた事無い……。」
意外に真面目に答えた死柄木に、ゆらは目を丸くした。
そうだな……。
ゆらもそんな事を考える死柄木を想像出来なかったので、その言葉に妙に納得した。
「………………。」
話が途切れて、2人は無言で見合った。
この続きをどうするのか、お互いの動向を待っている様だった。
動いたのは死柄木が先だった。
口を軽く開けてゆらに顔を近付けると、喰むように唇を咥えた。
同時に入ってきた舌に、ゆらは自分の舌を一生懸命に絡めた。
息が尋常じゃなく上がってきて、気分が高揚していく。
抑えられなくて、ゆらは死柄木を縛っている鎖の力が入った。
「つ……いてぇって言ってんだろ。」
そう言って死柄木は鎖を出している手を掴むと、鎖からゆらの手を離した。
手から離れた鎖はしばらくすれば消えるからだ。
「やだ!離さないで!」
離れた鎖にゆらは動揺した様に手を伸ばした。
その手を死柄木が再び掴むと、今度は拘束具が2人の手首を繋いだ。
「繋がってないと嫌なのっ。」
「…動きずれぇな…。」
死柄木は舌打ちをしながらゆらの身体を起こした。
床に座り込んで向かい合ってキスを繰り返した。
服を脱がすのも面倒だったので、さっさとゆらのズボンだけを脱がせた。
別にゆらもそれで良い様だった。
全然大切に抱きたいと思わないのに、何故か今無性に抱きたい事に死柄木自身困惑する。