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【R18】蒼炎を縛る【ヒロアカ】

第20章 蒼炎乱舞※死柄木②


「…自分で崩壊を調整出来るようになった…。」

ポツリと言った死柄木の言葉に、ゾクリと悪寒が走った。



五指に触れなくても崩壊でき、調整可能になった能力。

それを脅威として体が感じたのは、ゆらがヒーロー側だからだろうか。



「…そう…良かったね…。」

ゆらはサッと死柄木の手を払った。

そのゆらの行動を見て、死柄木の顔が歪んだ。



今まで死柄木が触れてきても何とも思わなかった。

だか今は明確に、体が拒否している。

それが死柄木に伝わったのだろう。



(荼毘が死柄木に私を会わせたかった理由はコレか……。)



図らずとも、ゆらは荼毘が望んだ様に死柄木から触れられる事を拒絶したのだ。

別にもう死柄木はゆら相手じゃ無くても、触れたければ誰でも触れるのだろう。

ゆらの個性にしがみ付く死柄木は居なくなった。



「…縛っていい…。」

死柄木がどんな表情でその言葉を言っているのか分からない。

ドクドクと脈打つ心臓を何とか抑えている。



もし、今死柄木を縛ったら、私の中の本能は死柄木をどう判断するのだろう。

今までの様な感情では無くなっている。

明らかに、死柄木を脅威としてみているのだ。



死柄木への抑えていた他虐性が爆発しそうな。

そんな怖さが体を震えさせる。



それだけは絶対にしてはいけない。

この個性が誰かを他虐する衝動があると。

そしてその衝動を抑えられずに身を任せてしまったら。



ゆらはその瞬間に全てを失う。



自身を信じていた気持ちも。

手を差し伸べてくれた人達への気持ちも。

全てを失って、ただ衝動のみに動く獣に変わってしまう。



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