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【R18】蒼炎を縛る【ヒロアカ】

第20章 蒼炎乱舞※死柄木②


「……なんだ…。」

「がはっ……はぁ…はぁ……。」

「また来たのか?」



頭上から掛けられる声が誰の声か顔を見なくても分かった。

自分が転がっている床は、ホークスの部屋の床ではない。

神野事件事件の時に見た、荼毘達の口から吐き出された泥。

その後に消えた荼毘達の姿。



今、自分はあの時の様に居た場所から、強制的に移動させられた事を分かった。



「……はぁ……今回は私の意思じゃないけどね…。」

咳き込んで歪んだ顔で見上げると、いつもの死柄木の赤い目がゆらを見下ろしていた。

今日は手のひらが顔に付いているので、その表情は全て見えなかった。


飛ばされた【ソコ】は、逃亡生活をしていた頃のアジトとは随分と違っていた。

綺麗な部屋に、ちゃんとした寝具とソファがあり、死柄木が拠点を構えたのだとすぐに分かった。



そんな情報聞いていなかった。

ホークスは随分とゆらに連合の情報をシャットアウトしていた様だ。

まぁ、そんな些細なことに腹を立てたりはしない。


ゆらは立ち上がって、ここが何処なのか確認する為に、窓に向かった。

「?!」

歩き出したゆらの腕を死柄木が掴んだ。



その手を見て、ゆらは幾つかの疑問点を持った。

掴んだ死柄木の指が一本無くなっている。

よく見たら荼毘と同じ様に、死柄木にも目新しい傷が沢山あった。



それより何よりも、死柄木は今五指でゆらに触れている。

なのにゆらは崩壊していない。

ゆらは疑心の目を死柄木に向けた。




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