第20章 蒼炎乱舞※死柄木②
ああ…本当に…。
一瞬で引き込まれる。
全てがこの瞬間の為の準備だったかと言う様に、簡単に荼毘に堕ちる様だ。
ホークスが見たら、怒るかな…。
呆れるだけじゃ済まないだろう。
「…馬鹿野郎…。」
誰に?
もちろん自分に向けて言った言葉だ。
「…ここで欲しいか?」
ヌルッと荼毘の舌が抜けて、憎たらしい笑みを浮かべる。
「…荼毘…行かないよ…。」
荼毘と再開したのがホークスの家で良かった。
それでも、少しだけでも頭にホークスが過ぎる。
あの笑顔は壊しちゃいけない。
どうしようもない自分の。
たった1つの自分の居場所だから。
荼毘はの衝動は、今日ここで絶たなければならない。
それがたった1つ、ホークスに返せる恩返しだ。
「……それじゃあつまんねぇなぁ、ゆら。」
さっきより怒りが込められた目に、少しだけヒヤッとした。