第20章 蒼炎乱舞※死柄木②
だけど、ホークスの願いは簡単に破れる。
1つの黒い影によって。
カーテンが風になびくと、黒い影は消えてカーテンの後ろに荼毘を見つける。
「…荼毘…久しぶりだね…。」
少し笑ったそのゆらの顔に、今度は荼毘の眉が動いた。
「……久しぶり……ねぇ。」
ゆっくりと荼毘が部屋の中に入ってくると、ゆらの体は警戒態勢に入る。
そのゆらの行動を見て、荼毘はハッと笑った。
「ヒーローが板に付いてきたか?ゆら。」
「…どうだろう…まぁ荼毘を捕まえる事は昔から出来たけどね…。」
警戒態勢に入っているゆらにお構いなしに、荼毘はどんどんゆらに近付いていく。
ゆらの背後でテレビからニュースの声が聞こえてくる。
だけどもう、その惨状にすら興味が無くなった。
「……なんか荼毘…焦げてない?」
もう目の前の荼毘しか意識は向かない。